クルマは欲しいけど、お金がない若者の味方は本当!? Uber、カーシェアの意外な落とし穴に注意(週刊SPA!)

出典元:2001年式のTOYOTAソアラ。購入時の走行距離が10万kmを超えていたため登録できず

「若者のクルマ離れ」が叫ばれて久しい。事実、「クルマ離れ」は確実に進んでいるようである。野村総研の調べによると、2030年の乗用車保有台数は、2014年に比べ9%減少の約3600万台になる見込みだ。

 だが、こうした消費傾向を示す言葉に対しては、しばしば「若者の低所得化」が起きていることが本質的な理由であるという指摘がある。クルマを所有することに価値を見出し、今すぐ乗りたいと考えていても、経済的な理由で買うことができない人が少なくないのだ。

 クルマを所有すると、平均して月1万3600円の維持費が必要と言われる(ソニー損保「2016年全国カーライフ実態調査」より)。だが、今は維持費を節約できるサービスや方法が出てきている。こうした後押しもあり、実はマイカー購入を決意する人も少なくない。

 ある男性は、カーシェアでの収入を期待して中古の11年落ちのポルシェカイエンを200万円で購入し、月に15万円ほどの副収入を得ている。大事な愛車の運転席に他人が乗ることについては「ぜんぜん抵抗ありませんね、維持費が安くなるならそれでいいです」と語る。

 また、既にクルマを所有しているものの、カーシェアの収入が入ったことで車格の高いクルマに買い替えたケースもある。2010年式のスバルのレガシィを乗っていた男性は、同じく個人間カーシェアサービスのAnycaに登録したところ、月に2~3回のシェアリクエストが入ったこともあり、維持費削減に一定の期待ができると判断し、昨年アウディのA5を購入したという。

 このように、クルマの維持費削減を見越して、愛車をカーシェアに出すケースが一部のオーナーでは見られるようだ。

 ただし、こうした維持費の節約方法には、思わぬ落とし穴も隠れているのをご存知だろうか。愛車を持ちたい人の背中を押してくれる維持費節約のテクニックと、その落とし穴や注意点を紹介しよう。

◆1.個人間カーシェアリングで愛車をシェアする!しかし…

 まず紹介したいのは「Anyca」「CaFoRe」「Greenpot」「シェアのり」といった個人間のカーシェアリングサービスを利用することで、副収入を得る方法の落とし穴だ。これまで駐車場に放置しているだけだった時間に、クルマを貸し出すことができるので、自分のカーライフには影響しない。

 数あるサービスの中でも、特に「Anyca」は運営会社であるディー・エヌ・エーがPR活動に力を入れており、市場規模はさらに拡大していく見込み。Anyca公式サイトによると、クルマを貸し出しているオーナーは、平均して月額2万5000円の収入を得ているという。中には年間で100万円以上稼ぐ強者も!

 一見メリットしかなく、すぐに始められそうなサービスだが、このAnycaにも思わぬ落とし穴がある。

問題1:都市部以外への普及はまだこれから

 現在、利用者の多くは新宿や渋谷などの都市部に集中しており、それ以外の地域では利用者は限定されてしまい、都市部ほどの収入は見込めない。特に平日にクルマを貸したいと考えている場合には、さらに利用者が限定されるため、リピーターの獲得は必須となるだろう。

問題2:登録できないクルマもあるので要注意!

 Anycaでは現在、購入時に走行距離10万kmを超えているクルマは登録できない(購入後に10万kmを超えている場合はOK)。Anycaでの副収入を見込んで中古車を購入する場合は注意が必要だ。

 また東京海上日動提供の「1日自動車保険」に加入可能なメーカー・車種であることが必須条件となっている。加入不可なクルマは超高級車に限定されるので、維持費を節約したいニーズとは関係ないだろう。

【1日自動車保険に加入が不可なメーカー・車種】

ホンダNSX、アストンマーチン、トヨタセンチュリー、ダイムラー、フェラーリ、ベントレー、マイバッハ、マセラッティ、ランボルギーニ、ロールスロイス

◆2.タクシー配車サービス「Uber」でドライバーになる!

 Uberは個人のドライバーが空き時間に乗客を運び、運転した分だけドライバーに料金が支払われるというサービスだ。米国や欧州ではすでに普及しており、車を所持していれば始められるので、新たにコストをかけることなく収入を得ることができる。平日は家にいる主婦の方にもオススメのサービスだ。

 しかし、こちらにも思わぬ落とし穴がある。

問題1:ドライバー登録には国土交通省の認可が必要

 日本では現在、タクシーやハイヤーなどを事業として行う際に必要な「一般乗用旅客自動車運送事業認可証」を取得しなければドライバーとしては登録できない。

 そのため、既存のハイヤーや黒塗りの高級タクシーの配車を仲介するサービスに留まっているのだ。しかし、2015年10月、安倍晋三首相は「過疎地などで観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」と発言、Uberなどのライドシェアの検討を指示しており、これから一般のドライバーの参入も期待できそうだ。2016年5月26日からは、Uberを使った「マイカーによる自家用車タクシー営業」が京都府京丹後市で開始されている。

問題2:登録できる車種が限られている

 現在は、日本でUberを運営しているUber JAPANに直接問い合わせる手段がないため、明確な条件は不明だが、中には登録できない車種もあるようだ。

 国や地域によって条件は異なるが、米国(シリコンバレー)では、「ドライバー登録の条件は21歳以上で有効な免許と保険を持ち、発売10年以内の4ドアセダンを所有していること」となっている。東京で車両登録を試みた際にも、車種の選択欄にTOYOTAソアラは見つけられなかった。今後、東京五輪などの影響でUBERが解禁となるかもしれないが、そのときに登録可能な車種についてはまだわかっていないので注意が必要だ。

◆3.共同使用者を見つけて維持費を折半する!

 2006年の道路運送法改正以前の道路運送法79条では、「自家用自動車を共同で使用しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない」という条文が存在し、自家用車の共同使用は許可制のもとでのみ実施されていた。しかし、2006年の道路運送法改正により、この条文に基づく許可制は廃止され、自家用車の共同使用については、下記のように明文化されている。

【引用】

(有償貸渡し)

第80条 自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない。ただし、その借受人が当該自家用自動車の使用者である場合は、この限りでない。有償旅客運送を行おうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならない。

2 国土交通大臣は、自家用自動車の貸渡しの態様が自動車運送事業の経営に類似している場合を除くほか、前項の許可をしなければならない。

 つまり、共同でクルマの使用者となってくれるパートナーさえ見つかれば、そのクルマにかかる維持費の一部を負担してもらうことができる。その際、下記のような契約書を作成することで共同使用が可能になる。また仲介業者が入らないため、手数料などがかからないというメリットもある。

 しかし、この方法にも思わぬ落とし穴が存在する。

問題1:トラブルは当事者同士で解決しなくてはいけない

 個人間での契約となるため、トラブルが起きた際には、当事者同士で解決しなくてはいけない。AnycaやUberでは、それぞれの運営会社が管理しているため、事故などのトラブル発生時にはサポートをしてくれる。特に使用料の支払いは、それぞれ運営会社を介したクレジットカードによる支払いのみとなっており、余計なトラブルを避けることができる。また保険などの取り決めをする際にも、第三者のサポートを得ることができないため、パートナーとは相応のコミュニケーションをとる必要があるだろう。

問題2:共同使用者とクルマの趣味が変わる

 個人間所有でよく起きるのが、価値観の変化がもたらす問題だ。クルマ好き同士でポルシェ911カレラを購入し、共同使用としたものの、数年後、片方に家族ができたことでミニバンを保有したいと考えた場合、共同使用は解消となるが、その際にポルシェを負担するのが1人になればクルマは維持できないだろう。

 このように、流行しつつある維持費の節約法には思わぬ落とし穴が存在する。もちろん、うまく使えば維持費を節約できるメリットは大きいことは確かだ。メリット・デメリットをきちんと知ったうえで有効活用し、充実したカーライフを送って欲しい。

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